石川啄木
 2009年10月24日(水曜日)

啄木の「子を負ひて雪の吹き入る停車場にわれ見送りし妻の眉かな」は せつなく悲しい歌だ。別れぎわ一途に啄木を見る妻の眉には白い雪がかかっている。その姿がせつなく悲しい。啄木は妻と子を置いて一人汽車に乗りこもうとしている。
 この停車場は上野駅のことだと これまでわけもなくそう思っていた。
 小樽の駅に立ってこの歌を見た時はわけもなく涙がこみ上げてきた。
 小樽運河の倉庫群はつまらなかった。
 市立小樽文学館はよかった。啄木の歌碑がどこにあるのか 窓口で聞くと二人がかりで地図を描いてくれ ゼンリンの住宅地図をコピーして書き込んでくれた。
 小高い岡の頂上に建つ水天宮の片隅に「かなしきは小樽の町よ」の碑があった。それにしても 地元の人はなぜここにこの歌碑を建てたのだろう。小樽日報の社屋の跡にあればよかった。
 「こころよくわれに働く仕事あれ」の歌碑は 小樽公園にあった。公園の飾りものとなっていたのが悲しい。なぜこんなところに建てたのだろう。啄木は小樽人に理解されていない気がした。