「もものえだ」読ませていただきました。
沢山のすばらしい歌の数々に感激いたしました。
いつも楽しみながら歌を詠む、そして詠んだ作品を保存しておく。
なんとすばらしい人ですね!
そういうことですから、年齢を感じさせない頭脳と若さがあるんでしょうね!

このご本を読ませていただき、なんだか胸を突かれました。
俳句。
技巧的にまとめようとしていない句が特にすきです。

たとえば、
石榴の實 二つ枯れ落ち 飾り棚
静謐な空間にぽとりと音がして、真っ赤な石榴がすでに枯れて色あせたその實が、飾り棚に落ちる。
その飾り棚は黒い漆塗りで、すこし黴くさい懐かしい古い 家のにおいがあたりにしていて。
時間はおそらく夕方に近づいたころ。
かげりゆく日差しが障子から差し込んでいるけれど、もう部屋は幾分薄ぐらい。
障子の 外は縁側で、端に客用の座布団が積まれていたりする。 
部屋の真ん中には黒檀の座卓。

もう一つ。
燃え尽きな 秋暑に照らせ 肌をさせ

これは、色香を感じさせます。
欲情というか、女性らしさというか。

お話の中に出てくる早逝された春雄さんのことなど、胸に沁みました。
いまでもその喪失感がぬぐえていないのだとわかります。
異国で一人感激していた読者がいたと、お伝えください

大正から昭和にかけての そして戦後までの貴重な記録として拝読しました

奈良県北部の田舎でも「ふご」という呼称があったことを思い出し 私自身小学校へ上がる前に不登校であったことなど すっかり忘れていたことに思いいたりました

それにしても親孝行な子をもち 令堂はお幸せだと痛感しました