幻の文章見つかる | 『学生通信』 三省堂 |
菅原和子さんへ | |
突然のお便りでさぞかし驚かれたことと思います 高校二年生の時、三省堂発行の『学生通信』紙「交歓ノート」欄で貴女のお名前と栗駒郡栗駒町の住所を見つけ、「きっと山と畑と草原に牛が鳴き清らかな川が流れているところだと思います」と書いて文通を申し込んだところ、「たくさんの手紙が届きましたが、書かれた風景がその通りで、貴男にお返事を書いています」と、わたくしを選んでくださいました その後、何度か文通が続きましたが、私の話題が豊富でなかったこともあり、自然に途絶えてしまいました 私は大阪の高津高校の2年生で、文通が始まったことが嬉しく、その直後に『学生通信』に、文章を投稿してそれが掲載され、貴女からお褒めの手紙を頂いて、更に大喜びをしたことを覚えています 今と違って、互いに会うこともなく、写真を交換することもなく、手紙だけのやりとりでしたが、何度目かの文通で、貴女から写真の交換を提案され、それが恥ずかしかった私は「そのような世間によくあるようなことはしたくない」と返事を書いて、結局お互いの姿を知らないままでした 最近、自分の過去の文章を整理していて、高校時代に書いた文章はないかと探した所、かつて「日記」について書いたことがあることを思い出しました。それを「三省堂」「高校生向け新聞」「日記」だけの言葉を手がかりに、問い合わせた所、ひと月後にすべてが判明したというしだいです |
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